私が最初にFX取引を始めたときは、世界ではどのような通貨がどのような状況で使われているのか、ほとんど知識がありませんでした。
この記事では、私がFX取引を長年してきた経験に基づいて、初心者の方にもわかりやすく通貨の種類やその特徴、個人の取引スタイルに合わせたオススメの通貨など解説しています。
世界の通貨の特徴
通貨とは本来、その国の信頼度を数値で表したものになります。
その国の経済成長率と安定度はもちろんのこと、健全に政治が行われていることが通貨の価値を決める大切な要因になります。
また、資源国通貨に関しては、資源価格の変動の影響を受ける傾向が強いという特徴があります。
もし、戦争や紛争などが発生した場合には、安全通貨に人気が集まる傾向が強くなります。
- 代表的な資源国通貨(AUD・NZD・CADなど)
- 代表的な安全通貨 (JPY・USD・CHFなど)
FX取引で人気のメジャー通貨
- 米ドル(USD)
世界の基軸通貨と呼ばれており、世界でもっとも貿易などの決済に使われている通貨。
2025年においては、戦争の影響により「有事のドル買い」で上昇傾向とされている。 - ユーロ(EUR)
米ドルに続いて世界で取引量2位の通貨。
EU(欧州連合)の多くの国(ドイツ・フランス・イタリア・スペイン・オランダなど)で使われています。 - 日本円(JPY)
米ドル・ユーロの次に取引量が多い通貨。
アメリカとの結びつきが強い国のため、米ドルの影響を受けて推移することも多い。 - イギリスポンド(GBP)
取引量は世界で4位だが、非常に値動きが激しいため、FX取引で好んで取引する人も多い。 - 豪ドル(AUD)
オーストラリアは金や石炭、鉄鉱石などの資源に恵まれています。
したがって資源国通貨に分類され、金利も割と高めの通貨です。 - カナダドル(CAD)
カナダは原油や天然ガス、ニッケルなどの資源に恵まれています。
アメリカと隣国関係にあるため、アメリカ経済の影響も受けやすくなります。
資源国通貨に分類されています。 - 人民元(CNH)
中国は「世界の工場」と呼ばれており、世界の国々に輸出をしています。
経済発展も著しく人口も多いため、将来的には流通量も増えてくると思われます。 - スイスフラン
永世中立国であり政治と経済が安定しています。安全通貨として人気があります。
メジャー通貨とは、どこのFX会社でも取引できるような人気の通貨です。
個人的には初心者のときは、この中から選んで取引することをおすすめします。
FX取引されているマイナー通貨
- 香港ドル(HKD)
香港は中国の一部ですが、人民元ではなく香港ドルが使用されています。
管理された範囲の中で、米ドルに連動して推移する通貨です。 - メキシコペソ(MXN)
メキシコはアメリカ経済に影響されることが多いので、米ドルの動きにも影響されやすい通貨です。
原油が主な産業のため、資源価格の影響も受けやすい通貨でもあります。 - ニュージーランドドル(NZD)
ニュージーランドドルは、コモディティ価格の影響を受けて動く通貨です。
高金利通貨の部類になりますので、スワップポイント狙いの投資家にも人気の通貨です。
オーストラリアとも密接な関係にありますので、オーストラリア経済の影響も受けます。 - ノルウェークローネ(NOK)
ノルウェーの主な産業は原油です。
したがって原油価格の影響を強く受けます。経済的には潤っており、高金利通貨に分類されます。 - ポーランドズロチ(PLN)
ポーランドはEU圏ですが、ユーロではなく独自の通貨を使用しています。
ドイツとの結びつきが強いため、ドイツ経済の影響をうけやすいのが通貨の特徴です。 - トルコリラ(TRY)
トルコは長い間、高金利政策をとっているため、スワップポイント目的のトレーダーに人気の通貨です。
立地的に紛争が多い地域のため、地学的リスクは高めです。 - 南アフリカランド(ZAR)
南アフリカは、金やダイヤモンドなどの鉱物資源に恵まれています。
したがって金価格の影響を受けやすいのが通貨の特徴です。
また、政治や経済が不安定なので高金利通貨ですが、ボラティリティも高い通貨です。
マイナー通貨は、自国の政情が不安定な国も多く、通貨の動きも激しい場合があります。
テクニカル分析を用いて、安定取引を望まれる方にはおすすめしません。
FXトレードスタイルごとのおすすめ通貨ペア
私はFX取引を長年していますので、数多くの通貨ペアを取引した経験があります。
過去を思い出せば、通貨によっては瞬時の暴落を受けて、大損をしたこともありました。
近年は、メジャー通貨をメインとしたリスクが少ない取引を心がけています。
この項目では、スキャルピング・デイトレード・スイングトレード・スワップポイント・値幅・安定感・テクニカル分析などをキーワードに通貨ペアを分類しています。
スキャルピングに適した通貨ペア
スプレッドが小さく少ない変動で利益が狙える。
どの観点から考えてもバランスがとれている。
- ドル円(USD/JPY)
- ユーロドル(EUR/USD)
- ユーロ円(EUR/JPY)
デイトレードに適した通貨ペア
1日のレートの値幅がある。
流動性が高く注文が約定しやすい。
- ドル円(USD/JPY)
- ポンド円(GBP/JPY)
- ユーロドル(EUR/USD)
- ポンドドル(GBP/USD)
スイングトレード適した通貨ペア
テクニカル分析が機能している。
スイングに適した値幅が見込める。
- ポンドドル(GBP/USD)
- ユーロポンド(EUR/GBP)
- ニュージーランドドル円(NZD/JPY)
- オーストラリアドル円(AUD/JPY)
スワップ狙いに適した通貨
スワップポイントが多く付与される通貨ペア。
レートの推移が不安定な通貨には注意。
- 南アフリカランド円(ZAR/JPY)
- トルコリラ円(TRY/JPY)
- メキシコペソ円(MXN/JPY)
- ニュージーランドドル円(NZD/JPY)
- オーストラリアドル円(AUD/JPY)
よくある質問(FAQ)
私が初心者の頃に疑問に感じたことや、よくある質問を「通貨ペアの選び方」をベースに集めてみました。
Q1:資金量で通貨を選ぶべきですか?
A:証拠金は少ないほうが無難です。
まずは、低ボラティリティの通貨ペアから始めてみてください。
Q2:通貨ペアによって取引しやすい時間帯はある?
A:例えば、EUR/USD はロンドン〜ニューヨーク時間が活発です。
Q3:初心者におすすめの通貨ペアは何ですか?
A:USD/JPYです。スプレッドも狭く身近な通貨ペアです。
Q4:なぜポンド(GBP)はボラティリティがある?
A:流動性が低めなので経済政策や経済指標の影響を受けやすい。
Q5:オセアニア通貨(AUD/NZD)が強くなる要因は?
A:資源価格の上昇に影響を受けやすい。
中国との親交が深いという特徴もあり、中国経済の影響も受けやすい。
自分のトレードに合った通貨ペアを選ぶポイント
- 自分のトレードスタイルを決める。
- トレードスタイルに合った通貨ペアの選定が大切。
- 少しでも条件の良いFX会社を選ぶ。
- トレードのシュミレーションをしてみる。
- 腑に落ちない点がなくなってから取引を開始する。
世界の通貨にはそれぞれの特徴があり、経済状況や政策、地理的な要因によって動き方も異なります。
通貨の特性を理解することで、FX取引での判断材料が増え、より戦略的なトレードをすることができます。
ぜひ、今回の内容をもとに、自分にピッタリの通貨ペアを見つけてみてください。