FXのチャートを見ていて、「なんでこう動いたのかな?」と感じたことはありませんか?
実は、相場には「波」のようなリズムがあり、それを理解するヒントになるのが「エリオット波動理論」です。
少し難しそうに聞こえるかもしれませんが、基本的な考え方を学ぶだけでも、エントリーポイントの精度が上がるようになります。
この記事では、初心者の方にもわかりやすく、エリオット波動の基本から実際の活用法までをステップバイステップで解説していきます。
難解な理論ではなく、「波のリズムに乗る感覚」を一緒に身につけていきましょう!
エリオット波動とは何か?基本概念を知ろう
「エリオット波動」と聞くと、専門的で難しそうだと思う方も多いかもしれません。
しかし、実はこの理論はとてもシンプルな波の繰り返しに基づいています。
その背景や考え方を、やさしく紐解いていきましょう。
エリオット波動の発見者と理論の背景
エリオット波動理論は、アメリカの会計士「ラルフ・ネルソン・エリオット」氏が1930年代に提唱したものです。
彼は株価の動きを観察していくうちに、「市場の値動きには一定のリズムやサイクルがある」ことに気づきました。
この理論の面白いところは、価格の動きが感情の集合体としての人間の心理から生まれているという点です。
つまり、マーケットは人間の心理に影響されて動き、それが一定のパターンとして現れる。
それがエリオット波動の原点なのです。
自然界と相場に共通する「波」のリズムとは?
自然の中に「波」は数多く存在します。
海の波、音の波、光の波、気象の周期。
これらに共通するのは、周期性とリズムです。
エリオットは、市場の価格もまた「自然と同じように波打っている」と考えました。
上昇と下落を繰り返しながら、全体的にはある方向に向かって進んでいく。
これは言い換えれば「ジグザグしながら成長する」動きであり、それを可視化したのがエリオット波動です。
なぜ今も好まれるのか?エリオット波動の魅力
一見すると古い理論のように感じるかもしれませんが、エリオット波動は今も多くのトレーダーに支持されています。
その理由は簡単で、「相場は今も昔も人間の心理によって動いている」からです。
テクノロジーが進化しても、FXトレーダーの「欲望」や「恐怖」といった感情は無くなりません。
だからこそ、この波のサイクルを読み取ることができれば、トレードの精度が高まりやすくなるのです。
5波と3波構成をやさしく解説(基本パターン)
エリオット波動の中核をなすのが、「5つの波(推進波)」と「3つの波(修正波)」という構成です。
難しく思われがちですが、このパターンを知ることで、相場の大まかな流れが読みやすくなります。
推進波(インパルス波)とは?上昇の5波を理解しよう
推進波とは、相場が大きなトレンド方向に進むときに形成される「5つの波」のことです。
具体的には、①上昇 → ②下落(調整) → ③上昇 → ④下落(調整) → ⑤上昇、という5段階で動きます。
特に注目すべきは「第3波」。
これは最もパワフルな波で、勢いよく伸びやすいのが特徴です。
この波にうまく乗ることができれば、大きな利益につながることもあります。
修正波(コレクティブ波)とは?下落の3波で考える調整
推進波のあとには、必ず「調整」が入ります。
それが修正波(コレクティブ波)です。
基本的には、A波(下落) → B波(戻し) → C波(下落)の3つの波で構成されます。
このフェーズは相場が一時的に迷っている状態とも考えられます。
「利確」や「ポジションの整理」が起こりやすいタイミングでもあるため、無理にトレードせず、様子を見る判断も重要です。
大切な波の数え方のコツと注意点
エリオット波動はカウントすることが基本ですが、慣れないうちは、どこが1波でどこが3波なのかがわからなくなることも多いです。
最所はチャート全体の大きな流れをつかみ、目立つ高値・安値に注目してみましょう。
また、すべてのチャートにキレイに5波や3波が出るわけではないので、完璧に当て込まないようにすることも大切です。
私はあくまで相場のヒントとしていつも活用しています。
エリオット波動とフラクタル構造の関係
相場の波は、大きな流れの中に小さな波が含まれる入れ子構造になっています。
これを「フラクタル構造」と言い、エリオット波動と非常に深い関係があります。
ここでは、時間軸ごとの見方や活用法について詳しく見ていきましょう。
小さな波の中に大きな波がある
エリオット波動は、15分足のチャートでも、4時間足でも、月足でも同じような波のパターンが繰り返されています。
これはフラクタル構造と呼ばれ、小さな構造の中に同じ形が繰り返し現れるという特徴です。
例えば、日足で見た第3波の中に、さらに1時間足の5波が見えることもあります。
時間軸を変えて、波の中身をよく観察してみると理解が深まります。
マルチタイムフレーム分析との組み合わせ方
フラクタル構造を活かすには、マルチタイムフレーム分析が非常に有効です。
例えば、日足で大きな第3波の途中であると判断できれば、1時間足や15分足で押し目のエントリーポイントを探すことができます。
波の全体の流れは上位足でつかみ、エントリーや利確のタイミングは下位足で判断することができます。
このスタイルは、多くの中級者以上のトレーダーが使っています。
エリオット波動のカウント実例
「チャートにどう当てはめたらいいの?」
私も初心者の頃、実際のチャートを前にすると、そのように思っていました。
具体的なカウント事例とよくある失敗例を交えながら、実践力を高めていきましょう。
実際のチャートで5波・3波を確認しよう

理論だけではなかなかイメージが湧かない方のために、ここでは実際のチャートで「5波・3波」のカウントを行ってみましょう。
たとえば、トレンドが発生したあとの動きの中に、1→2→3→4→5という推進波が確認できた場合、その後にA(調整1波)→B(調整2波)→C(調整3波)の修正波が入るケースが多いです。
このようにして相場全体の構造を知ることで、今はどの段階なのか判断しやすくなり、無駄なエントリーを避けることにもつながります。
よくある失敗例と騙されやすいパターン
エリオット波動をカウントしていると、初心者のうちは推進派と思ったものが、実は調整波だったというような失敗はよくあります。
特に注意が必要なのは、修正波のB波がトレンドのように見えるときです。
勢いがあるため推進波と勘違いしやすいのですが、すぐに反転してC波で落ちることがあります。
こういった騙しを避けるためには、常に複数のパターンを想定し、無理にひとつのカウントに固執しない考えが大切です。
エリオット波動を使ったトレードの実践活用法
理論を知るだけでなく、実際のトレードにどう役立てるかが一番大切です。
ここでは、エントリーポイントや損切りラインの設定方法、他の指標との併用法など、実践的な使い方を具体的にご紹介します。
エントリーポイントの見極め方
エリオット波動をトレードに活かす最大のメリットは、「どのタイミングでエントリーすべきか」の判断材料になる点です。
たとえば、推進波の第2波が終了し、第3波が始まりそうな場面は、高勝率なエントリーポイントとして有名です。
第3波は最も勢いが出やすく、トレンドが強く伸びる可能性が高いからです。
ただし、「第3波かもしれない」という予想を立てたら、しっかり損切りポイントも決めてリスクを限定することが大切です。
利確・損切りの目安として使う方法
波の構造を理解しておくと、「どこまで伸びそうか」「そろそろ反転しそう」といった判断もしやすくなります。
たとえば、第5波が終わりそうな地点では利確を意識したり、第2波の終わりに損切りラインを置くことで、計画的なトレードが可能になります。
エリオット波動は、単なるエントリーのツールではなく、トレード全体の見取り図として活用できるのが魅力です。
フィボナッチとの併用で精度を高める
エリオット波動は単独でも使えますが、「フィボナッチ・リトレースメント」や「フィボナッチ・エクステンション」と組み合わせることで、より高い精度でターゲットや反転ポイントを予測できます。
たとえば、第2波の調整幅がフィボナッチの61.8%付近で止まる、あるいは第5波がエクステンションの161.8%付近で反転するなどのケースはよくあります。
こうした根拠を複数持てるようになると、自信を持ってトレードできるようになります。
エリオット波動の学習に役立つツール・リソース
理解を深めるためには、実際に自分で波をカウントしながら学ぶのが一番の近道です。
ここでは、初心者でも扱いやすいツールや、学習に役立つ書籍・動画コンテンツをご紹介します。
初心者でも使えるチャート分析ソフト
エリオット波動を学ぶ上で、実際にチャートを動かして波をカウントしてみることがとても大切です。
初心者におすすめの無料チャートソフトとしては「TradingView」があります。
多機能で直感的に操作可能、ブラウザ上で動くのでインストールも不要です。
線を引いたり、波をカウントするためのツールも揃っており、スマホでも使用可能なので学習に最適です。
学習におすすめの書籍・YouTube・ブログなど
エリオット波動を詳しく学ぶには、信頼できるリソースを使うことも大切です。
書籍では「エリオット波動入門(チャールズ・コリンズ著)」が読みやすく、初心者にも人気です。
また、YouTubeには日本語の解説動画も多く、見て学びたい方に最適です。
さらに、波動カウントの練習ができるFX系ブログやTwitter(X)アカウントも役立ちます。
情報は多すぎると混乱しやすいので、最初は1〜3のリソースに絞って詳しく学ぶことをおすすめします。
初心者がつまずきやすいポイントと対処法
エリオット波動は魅力的な理論ですが、最初に戸惑うポイントも少なくありません。
特に初心者が陥りやすい「どこが波なのかわからない」といった悩みに対して、実践的なアドバイスをご紹介します。
「波がどこにあるかわからない」を解決するコツ
多くの初心者が最初につまずくのが、「そもそもどこからどこが波なのかわからない」という悩みです。
この場合、一番の解決策は明確な高値と安値に着目すること。
私はそんなときは、大きな山と谷を見つけることから始めています。
チャートに自分なりの線を引くだけでも、相場の流れがつかみやすくなります。
いきなり正確に数えようとせず、まずはざっくり波の形を見るという感覚が大切です。
間違ったカウントをしないための心構え
エリオット波動に絶対の正解はありません。
経験豊富な投資家でも、違うカウントをすることはあります。
大切なのは「なぜこのカウントなのか」を自分の中で言語化できること。
そして、複数のパターンを想定しながらトレードを組み立てていくことです。
エリオット波動は未来を予知するツールではなく、可能性を整理するツールとして使いましょう。
エリオット波動の理解を深めるQ&A集
エリオット波動について学び始めると、自然とさまざまな疑問が出てくるものです。
ここでは、初心者の方からよく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。
つまずきやすいポイントの解消にお役立てください。
Q1:エリオット波動って本当にFXで使えるんですか?
A:はい、特に相場の大きな流れをつかむのに役立ちます。
ただし、完璧な未来予測ではなく、「シナリオを立てる材料」として使うのが効果的です。
Q2:波の数え方が難しいです。どうしたらいい?
A:最初は完璧を求めず、「ここが山、ここが谷」と大まかに捉えるところから始めましょう。
練習と経験で精度が上がってきます。
Q3:どの時間足で見るのがベスト?
A:日足や4時間足など、まずは大きな時間軸でカウントを練習するのがオススメです。
Q4:相場のどの段階で波を見つければいい?
A:波の「始まり」と「終わり」を探す意識を持つと、全体像が見えやすくなります。
大きなトレンド転換点に注目しましょう。
Q5:エリオット波動って裁量トレードに向いてますか?
A:はい、裁量判断が求められるため、パターン認識力が養われるという点で裁量派にとって非常に有用です。
初心者でも実践できる!エリオット波動の要点総復習
ここまで、エリオット波動の基本から実践的な使い方までを見てきました。
最後に、この記事の要点を簡単に振り返っておきましょう。
今後の学習やトレードにぜひ役立ててくださいね。
エリオット波動は、相場の流れを「波」として捉えることで、より論理的に相場を見ていくための強力なツールです。
初心者にとっては最初やや難しく感じるかもしれませんが、数をこなしていくうちに少しずつ「波の感覚」がわかってきます。
完璧なカウントを目指すのではなく、「仮説として波を数える」くらいの軽やかさで使っていくことで、相場を見る視野が広がります。
あなたもぜひ、エリオット波動をFXの武器のひとつとして取り入れてみてください!