今年も真夏が近づいてますが、なんだか市場が静かな気がしますね。
実は直近5年くらい、7月・8月に円高傾向が強くなる年も多かったんです。
この記事では、2025年8月現在の相場の傾向と、過去数年の為替データを交えながら、夏のFXトレードをどう捉えるか具体的に紐解いていきます。
夏のアノマリーとは？ なぜ円高傾向？
一時期はあまり注目されていなかったワードである「夏のアノマリー」ですが、近年になって再び話題にのぼるようになってきました。
特に7月や8月に円高傾向が強まる現象は、トレーダーにとって見逃せないポイントです。
ここでは、アノマリーの意味や、なぜ円高傾向なのか紐解いていきましょう。
夏枯れ相場と“金の7月（Golden July）”って何？
夏のFX相場は、欧米のバカンスや帰省シーズンにより市場参加が減り、取引量が縮小し、レンジ化しやすい「夏枯れ相場」になります。
一方で、近年では7月に「Golden July」と呼ばれる円高傾向が見られ、金利やポジション調整を背景に円が平均で約-0.27 ％高（ドル円下落）を示す傾向があるというデータもあります。
この意外な“強気の円”に注目するトレーダーも増えています。
再び注目される背景—円高7月の要因とは？
なぜ7月に円高傾向が戻ってきたのか。
背景には、お盆前の資金調整で円を買う動きや、キャリートレード（低金利の円を借りて他通貨に投資）の巻き戻しがあります。
例えば、過去の夏にはキャリーの解消によって円が急激に買われた場面もあり、例として2024年には円が7月中に10％ほど上昇したこともありました。
2020〜2024年の7月・8月、円相場はどう動いた？
実際に「夏に円高が起きる」という傾向は本当なのか？
過去の相場を振り返ることで、夏特有のパターンやリスクの傾向が見えてきます。
ここでは、2020年から2024年の7月・8月における円相場の動きを具体的な数値をもとに分析していきます。
2020〜2021年 — 円相場の平均値は？
- 2020年7月～8月
ドル円が約106.8円で推移し、円高傾向が強まっていました。 - 2021年7月～8月
おおむね110円前後で比較的安定して推移しており、大きな動きは少なかったのが特徴です。
2022〜2024年 — 円高傾向と反動の年もあり
- 2022年7月〜8月
ドル円は概ね135円台と強い円高ではなかったものの、8月にかけてやや円高方向への調整が見られました。 - 2023年7月～8月
7月は約74.37円、8月は73.08円と明確な円高傾向が確認され、夏枯れの中で動いた年でした。 - 2024年7月～8月
7月は157.86円（ドル高・円安）、8月は146.29円（急激な円高）と、急反転する夏になりました。
2025年8月現在の為替傾向と市場の空気
では、今年（2025年）の夏はどんな動きになっているのでしょうか？
現在のドル円や主要通貨の動き、金融政策、夏相場ならではの雰囲気をチェックしながら、今後の戦略に活かすためのヒントを探っていきましょう。
ドル円の現在地と夏の顔ぶれ
2025年7月には、ドルインデックスが3.2%の上昇を見せるなどドル反発の傾向がありましたが、一方で金融政策の不透明感が続いており、円への警戒感も根強く残る市場環境です。
「2025年夏はどうなる？」を見据えた市場予想
「Golden July」が復活するのか、再び円高傾向が起きるのかに注目が集まっています。
一方、金融市場関係者からは「夏の薄商いは予期せぬ相場の急変に注意」といった警告も出ています。
夏に使えるFX戦略—円高傾向をどう活かすか
夏のアノマリーをただ「知っている」だけでは意味がありません。
実際のトレードにどう取り入れるかが大切です。
ここでは、円高になりやすい夏相場で使える具体的な戦略や、注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
短期戦略：7月の急な円高を逆張りor順張りで狙う
「Golden July」を前提に、急な円高（ドル売り）を逆張りで拾う戦略や、トレンドに乗る順張り戦略など、タイミングを見て大胆に攻めてみるのも一つの手です。
ただし、夏の薄い市場ではダマシに注意が必要です。
8月の揺れを見越したリスク管理とポジション幅の調整
8月になると夏枯れの影響でレンジ相場となりやすいため、トレード頻度を抑え、中長期視点のポジションに切り替える柔軟性が重要です。
また、ボラティリティが低い時こそ利確・損切り幅を狭めて安全策を取ることを推奨します。
心理的戦略 — 流行に乗るより“一歩引く”トレードもあり
市場参加者が少ない夏の相場は心理的なトレンドの影響を受けやすく、「流行に飛びつかず、一歩引いて冷静な判断を保つ」ことが勝敗を左右します。
「休むもトレード」という考え方も、戦略として十分に価値があります。
夏のFXはここに注意！よくある質問（FAQ）
夏相場はトレードチャンスが減る分、判断力と情報力が問われます。
特に7〜8月は、円高に振れることも多く、安易なエントリーが命取りになることもあります。
そんな夏のFX相場に備えるため、過去データや今年の動きを踏まえた、よくある質問とその回答をご紹介します。
Q1：2025年夏の見通しはどう？
A：個人的には、強気予想もある一方、薄商いによる突発リスクにも警戒すべき状況だと感じています。
Q2：2024年8月に円高に振れた理由は？
A：金融政策や地政学、相場調整などによる「8月の相場の戻り」が大きいです。
Q3：8月のアクションヒントは？
A：夏の要因（お盆、指標スケジュール、海外情勢）を確認し、小ロットで柔軟に対応することが大切です。
Q4：なぜ7月に円高になりやすいの？
A：お盆前の円転需要やポジション整理が要因となります。
Q5：夏にFX初心者が気をつけるべきことは？
A：無理なトレードやSNS情報に流されず、マイルールを守ること。
FX夏相場のポイントをおさらい
- 夏は取引量が減りやすく、円高になりやすい傾向あり。
- 直近5年では7〜8月に急な円高が起きた年も複数回あり。
- 2025年8月も夏枯れ気味で、無理なトレードはしない。
- 短期トレードより「待つ」姿勢が利益につながることもある。
- 過去の傾向と今の動きを合わせて戦略を立てよう。
直近5年の為替データを見ても、7月・8月には円高傾向（Golden July）や急反動（2024年8月）など、夏ならではの動きが頻出しています。
2025年も、ドル反発や薄商いリスクなど複雑な背景が絡んでおり、冷静な戦略と慎重なポジション管理がカギになります。
夏のアノマリーを味方につけて、「動きを読む力」を身につけていきましょう。
